道を示す樹の囁き
道を示すものは
ただそこに立っているだけではなく
その存在全てで
周りに光を放たねばならない。
こちらに進んで良いという安心感と
温かな感覚を
何も言わずとも
在り方全てで光り輝くように
いなければならない。
そして引き寄せられ
この大きな幹に包み込まれるように側にいるものに
これからの旅路の為のエネルギーを送り
これでいいのだという安心感を
与えるのだ。
やがて旅人は去ってゆくが
道を示すものは
その場でまた光を放ち続ける。
深く広がる根や糸で繋がるネットワークを用い
他のあらゆるものとコミュニケーションをとり
その道をゆくものの
確実な歩みを祈るのだ。
一度通り過ぎ
旅を終え
再び戻るそのものたちにとって
世界は全く違う輝きを帯びるだろう。